このたび、拙著 「THE SPEECH 人を動かす話し方」が発売となりました。
広義でリーダーとされる方々(チームやプロジェクトのリーダーから、管理職、幹部、社長に至るまで)が、人の心を動かすスピーチをするために必要な要素を語っています。
簡潔に言うと、人を動かす話し方、リーダースピーチの鉄則(方程式)は
《語り手の人徳(エトス)×聞き手との共感(パトス)×話の論理(ロゴス)》
であると私は考えます。
人の心をつかむには、まず聞き手の真意を捉えることから始まります。自分の言いたい事を受け入れてもらいたければ、最初に相手の言いたい事を受け入れる事。自分の感情ではなく、相手の感情に同調すること。
そして、人を動かすためには、相手にやってほしい事を伝えるのではなく、相手が何をいわれたら動きたくなるか?その言葉を探すことです。
この考え方は、小学生のスピーチでも同じことです。
当スクールには、生徒会の選挙に立つ子も毎年多いのですが、演説のポイントは、自分が成し遂げたいことではなく、聞き手が何を望んでいるのか?(パトス=共感)そして、人柄が伝わる要素(エトス=人徳)を盛り込み、論理的に伝わりやすい構成(ロゴス=論理)で伝えるようにします。
通常
僕は1年生の頃から、生徒会長を目指してきました。
僕が生徒会長になったら、みんなが「この学校で良かった」と思えるような良い学校にしたいと思っています。
◎
僕が入学したての頃、学校の中で迷子になり、不安で泣いてしまった事がありました。
そんな時、生徒会長の6年生が、優しく僕を教室まで連れていってくれました。
皆さんも、学校生活で不安になったり、悲しくなったりすることはあると思います。
僕が生徒会長になったら、優しい心を大切に生徒同士が助け合い、一生の仲間づくりが出来るような学校にしたいと思っています。
経験談から語り手の人徳が伝わり、生徒会長に対して聞き手が望むこと、つまり『一生の仲間づくりができる学校』という方向性での共感が得られるスピーチとなっています。
このように、大人の良いスピーチの原則は、子供のスピーチにもそのまま当てはまるのです。
書籍に興味を持ってくださった方は
こちらをご参照ください。
エグゼクティブ・スピーチトレーナー 野村絵理奈