(1) 堂々とあいさつ出来るこどもにするには?
「うちの子はあいさつが苦手で、あいさつされるとすぐ私の後ろに隠れるんです。」
というお悩みを良く聞きます。
お友達といるときは、ハキハキ元気に話しているのに、大人の前では違う。
幼いこどもにとって、大人に向かって話しかけることは、「パブリックスピーチ」そのものです。大人が、初対面の人と話す時や、大勢の場でスピーチする時に緊張するのと同じ気持ちなのです。
「いつも言っているのに、どうしてあいさつできないの」
と叱ってみても、あいさつは出来るようになりません。むしろどんどんあいさつすることが怖くなってしまいます。
大人だって、「どうして、初対面の人と上手く会話できないんだ。お友達とは会話できるのに」と言われたって、会話上手になるはずもありません。
こどもに、自信を持ってあいさつしてもらうためには、まず親が適切な教え方を知ること、根気強く習慣にさせることが何より大切です。
(2)こどもは、親のあいさつを見ている
言うまでもなく、親があいさつが苦手だったり、あいさつを避ける習慣があると、こどもは、「あいさつはしなくてもよいものだ」という認識になってしまいます。
反対に、あいさつをきちんとさせたくて、自ら積極的に挨拶をする親御さんもいらっしゃいます。
その事自体は、もちろん正解なのですが、あまりにも、親ばかりが前に出て挨拶していると、こどもは「あいさつはお父さん、お母さんのやること」と思ってしまい、あいさつしなくなることがあります。恥ずかしいからというより、あいさつは「大人同士のもの」と誤解しているのです。
そのような事がないように、あいさつをして見せる時には、「お父さんお母さんがあいさつするときは、あなたも続いてしてね」と、一緒にあいさつをさせるよう教えてあげてください。
それでも、親の友人など大人とあいさつするのを恥ずかしがる場合は、その場で叱ったりせず、目くばせなどをして、自分から話し出すタイミングを待って下さい。
一度で出来るようにならなくても、根気強く待って、こどもがあいさつできた時に、後で「今日はあいさつ出来たね!すごい」とほめてあげてください。
あいさつは、叱ると逆効果ですが、褒めることで自信になり、積極的に出来るようになります。
(3)親子で実践「あいさつ」の4つのルール
こどもにあいさつを習慣づけるためには、合言葉にして親子で復唱するのが効果的です。
我が家では、「あいさつ」の頭文字をとってこのように覚えさせています。
あ・・・あかるく(明るい声、笑顔で)
い・・・いつでも(どんな気分の時でも)
さ・・・さきに(恥ずかしくても自分から)
つ・・・つづけて(毎日かならずする)
初めて会う人なのに、自分から挨拶できたときには、「『さきに』できたね」、
眠いのに、おはようが言えたときには「今日も『つづけて』言えたね」、
反対に、気分が乗らなくてあいさつしなかった時には 、
「あいさつは 『 いつでも 』 だよ」と 、共通の合言葉にしてしまえば、簡単にその場で指導できますし、こどももすぐ覚えて実践できます。
(4)「あいさつ」は英語より使えるグローバルコミュニケーションスキル
今や、小さい頃から英会話を習うことは当たり前の時代ですが、日本人は概して外国人が苦手です。
英語は習ってきているはずなのに、なぜか外国人を見ると逃げたくなるものです。
でも、海外旅行に行くと、国籍も言葉も違う外国人が、気軽にあいさつをしてくれて、気分が良かった・・なんて経験はありませんか?
コミュニケーションで大切なのは、言語の前に、まずは「対人力」。
「笑顔であいさつ」こそが、世界共通の言語です。
グローバル化する将来に向けて、あいさつ力は、こどもの頃から身につけさせたいスキルです。