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話し方教室 KEE’S ビジネスの交渉では「絶対にムリ」を?!

ビジネスの交渉では「絶対にムリ」を疑ってみる

 

男性との意見のすり合わせは、女性として、というより人間としてのごくプリミティブな交渉です。

交渉の仕方は男女関係だけではなく、ビジネスの現場においても通用するし、
必要ともされる大切な交渉術なのです。

先ほどは「お互いに希望を書き出すこと」を最初の足がかりとしましたが、
実際に営業先に出向いて、「さあ希望を書き出してください」というのも失礼な話です。
ではどうすればいいのでしょうか。

お客様を目の前にしてまず聞き出すべきことは、「もっとも優先すべきことは何か」ということです。
それは予算かもしれないし、成果や時期かもしれません。
何を一番に求めているのか、ボトルネックになっていることは何なのか、最初はこういった点をヒアリングします。

これはすなわち希望をリストアップして順位をつけてもらい、その1位を確認するということに相当します

お客様が何にプライオリティを置いているのかが判れば、
こちら側で提案できる内容や範囲が決まってきます。つまり両者の折衝点が発見できるわけです。

大抵の場合、お客様側には要望がいくつもあるはずです。
しかし、最優先事項を把握し、その他の要望にも優先順位がきちんと付けられていれば、交渉はスタートできます。

ポイントは、一番目の要望を何としても叶えること。

もちろんお客様にとって二番目や三番目の希望も大切でしょう。
ところが「二番目、三番目を叶えられるが一番目は無理」というよりも、
「一番目は叶えられるけれども二番目、三番目は無理」というほうが、相手は納得しやすいものなのです。

叶える項目の数は前者が二つなのに対し、後者はひとつしか達成できていません。
この辺りは人間の心理の問題にもなると思われるのですが、一番の望みが叶えられれば、
それ以外は多少譲歩してもいいかなという考えに傾きやすいのです。

もちろんこの交渉の間には、あなたは100%意見を通す気持ちを捨てて、50%譲る姿勢でいなければなりません。
女性特有の感情をがんばって抑えるのです。女性側にも「ここは譲れない」という点は必ずあります。

しかし、それを貫き通して交渉が決裂してしまっては元も子もないのです。
少しでも実現できることがあるのならば、それだけで両者の関係は一歩前進しているのですから。

それでは、相手の最優先事項が絶対に無理なことだったらどうすればいいのでしょうか。
ちょうど先日、これに当てはまる事例がありました。

私たちKEE’Sは、企業などに対する研修を主要な仕事としています。
そんな私たちの事務所に一本の電話がありました。講演をお願いしたいという依頼です。

ところがその講演料は、私たちの設定している金額とは大きな隔たりがありました。
金額を聞いた担当者(もちろん女性です)は、一旦は丁重にお断りをしたのですが、私はあえて「待った」を入れました。
もしかしたら何か事情があるのかもしれません。そこで、お客様が何を求めているのか確認させたのです。

 

その講演は、起業家を目指す若い人たちが「皆で頑張っていこう」という志の下に集まった
無料イベントの企画のひとつでした。話を詳しく聞いてみると、企業研修のような細かい指導は必要なく、
私たちが日頃ご提案している研修のエッセンスを伝えれば十分と思える内容を期待されていたのです。

そこで、スタッフのうちの若手でもいいかと打診しました。
彼女は優秀なのですが、まだ経験が少ないための場数を踏む必要がありました。
そのお客様からは、もちろんOKという返事をいただき、この依頼は実現することになったのです。

ハナから無理だと決めつけていたら、何も生まれませんでした。しかし聞いてみるものです。

お客様と私たちは、うまい具合にお互いの折衝点が発見できたことになります。
通常の講演料としては格安でしたが、私たちにとっても経験の浅いスタッフに対する
実践的なトレーニングを施すことができ、お互いのメリットとなったわけです。

男性は、こういった柔軟な考え方が意外とすぐにできるのですが、どういうわけか女性はなかなかできません。

「こうしなければいけない」「これは絶対に譲れない」という考えに固執してしまいがちです。
ある意味、潔癖な性格だとも言えるのかもしれませんが、以前の私自身も含めてどうも女性は感情的で、
無意識のうちに視野を狭めてしまうのです。

あなたがもし「これだけは絶対に譲れない」と思うことに行き当たったとしたら、
ちょっと立ち止まり、冷静になって振り返ってください。全部譲れとは言いません。

でも、本当にそれは50%も譲る余地のないことなのですか?
もしかしたら、せっか双方ともハッピーになるチャンスを、みすみす失ってしまうことになりませんか?
あなたがほんのちょっとだけ意識を変えることによって、物事は大きく動き出すこともあるのです

私たちの話し方教室では、場面場面での対応なども例にとり、お伝えしております。

 

KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈

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