ネタの見つけ方
多くの方が悩まれていらっしゃるのが〈ネタの見つけ方〉のようです。
書店に行くと、「スピーチのためのネタ本」が多数売られています。365日古今東西、その日にあった出来事が載っている本、名言が載っている本……。
それらを活用するのも一案でしょうが、本に書いてあることを丸暗記して話したところで、あなたらしい魅力あふれるスピーチには決してなりません。
そんなネタ本を買わずとも、ネタになりそうな情報はあなたの身の回りにいくらでもあることに、まずは気づいていただきたいのです。
家族のこと、テレビで見た気になる話題、新聞の社説、最近読んだ本、通勤途中で出合った出来事……。ネタは無限大にあります。
ネタの種類としては、
①知識
②プライベート
③連想
に分けられます。
まずは〈知識〉のネタ。日々のニュース、新聞の社説、本、映画などから、自分が気になった部分を具体的に抜き出します。
「この本がおもしろかった」ではなく、「第2章に出てくる、この言葉に深い感銘を受けました」と細部に落とし込んで話すのがポイント。
もちろん最後は「ビジネスにおいても、そういう気持ちを大事にしたいと思います」など、仕事に絡めて締めましょう。
〈知識〉のネタより、若干柔らかいネタになるのが〈プライベート〉です。
家族の話、趣味の話、これまでの経験、通勤途中に見たこと・感じたこと。そこで何にあなたの心が動き、何を考えたのか。そこを掘り下げていくなかで、あなたが普段から大事にしているもの、あなたの生きる姿勢などが見えてくるはず。それを仕事の話につなげて締めましょう。
〈連想〉のネタは少々、上級テクニックになります。
きっかけはふとした疑問。ニュースや季節のタイムリーな話題から〈連想〉を広げていくのがいいでしょう。
たとえば、クリスマスが近いとしたら、「今年はどんなプレゼントが流行っているんだろう?」と考え、自分で調べてみるのです。ニュースを受け取るのではなく、自分で発想し、連想して、その情報を自ら取りにいく。
今年なら防災グッズが流行るかもしれません。防犯ブザーなどが売れているようなら
「意外なことに、防犯ブザーが売れているようです。節電で街灯に明かりがつかず、夜道が暗いためというのがその理由で、去年に比べて60%の売り上げ増だそうです」
などと、その答えを自分で想像するだけでなく、客観的なデータや数字を探し、それを話に盛り込み、その商品が売れている理由、時代背景にまで踏み込むのです。
それはまぎれもなく、あなた発信のニュースになります。
かなりの上級者テクニックですが、〈連想〉が習慣になると、ものの見方が柔軟になり、世界が広がっていきます。世界中起こっていることで、あなたに関係のないことなどなくなるからです。
そして情報は掘り下げれば掘り下げるほど、あなた自身のものになるのです。