■ロジカルな話こそあたたかい口調で
論理的に話題を展開するロジカルスピーチでも、女性ならではのあたたかさを持った口調で話すことが必要です。
会議などの席での聞き手は、日ごろから論理的思考をしている男性のほうが多いでしょうから、彼らと対等に渡り合うには理路整然とした話題の展開が要求されます。
ただ、だからといって女性らしさを忘れてしまっては、威圧感ばかりが先立ち、ただの「冷たい女」と受け取られかねません。それではやはり損をすることになります。
一昨年の暮れに事業仕分けで話題になった民主党の蓮舫さんの発言は、とてもインパクトがあり、強い女を感じさせました。ご本人は決してそんな方だとは思いませんが、もう少し女性的な優しい口調で話せば印象は違ったのではないでしょうか。
論理的にバンバンたたみ掛けるように話すと、すっきりしてとても気持ち良くなります。しかしそんなときは注意してください。話し手は自分の口調や内容に酔っていることが多いのです。聞き手のことをすっかり忘れ、聞いている側に何かしらのストレスを与えていることに気づかずにいるはずです。
どんなに正しいことを聞かされても、内容より話し手のキャラクターや口調、雰囲気などに対する反感が聞き手側に募っています。この人は「冷たい女だ」という印象は、こうしたところから生まれてしまうのです。
問いつめるような口調は、相手に「攻撃されている」という強烈な印象を与えてしまいます。「これはどういうことですか」と詰め寄るより、「これはどういうことか、もう少し詳しく教えていただけますか」と言ったほうが、雰囲気があたたかくなるのは明らかです。
・きつい内容ほど優しく問いかける
相手を攻撃してしまいそうなときほど、ゆっくりとしたテンポで、語尾をそっと置くように「○○なんですか?」と優しく問いかけたほうが、警戒心を抱かれず建設的な話し合いができます。
また柔らかく言いたいときに、「何とかなんですかぁ?」と語尾を伸ばし気味にして上げると、優しそうな印象を与えます。疑問形の語尾には相手の意志を尊重するとか、相手に判断を委ねるなどといった婉曲的な効果があります。
語尾だけで話し方全体の印象が大きく変わるので、いろいろなバリエーションを持っておくといいでしょう。
ただ、あまり多用すると変に媚びた感じにもなりかねないので、ある程度控え、ときには「○○ですっ!」と伸ばさずにプッツリと切って話し、メリハリをつけるべきでしょう。怒っている口調にならないように、笑顔ではきはきと言い切ることが大切です。はつらつとした印象を与えて、場を緊張させないように。
ここまで説明したようなロジカルスピーチを行うと、どうしても「魔法のシート」にばかり頭が行って、話の内容と話し方に意識が集中しがちです。しかし話すのはあなた一人。聞き手の皆さんから注目を浴びているはずです。
そんなときにもごもご話したり、目線が泳いだりしていては、見た目に論理的に見えないし、きちんと内容も伝わりません。
自分を論理的に見せるには、ジェスチャーも重要な要素となります。たとえば目線。緊張すると目が泳いだり、まばたきが多くなったりしがちですが、落ち着いて目線の配り方に注意しましょう。
基本はワンセンテンス、ワンパーソン。ひとつの文章は、日本語でだいたい5秒以内に収まります。このタイミングに注目です。
あるセンテンスを言うときは、たとえばAさんに語りかけるように。次のセンテンスでは別のBさんへ。通常よりも大きく目線を移動しながら、一文一文をそれぞれ別の人一人だけに順番に語りかけるようにしていくのです。一文もしくは5秒ぐらいで目線を移動したり、手元の資料に目線を落としたりしてからまた別の人の目を捉えたりして、ゆっくりと冷静に語りかけるようにします。
あまり早く目線を移動させると落ち着きがなく見えてしまうので、そのタイミングは注意してください。
目線とともに、たとえばジェスチャーも大きくゆっくりと。意識的に柔らかく大きめの動作をすると、女性らしさがよく伝わります。また声も、いつもより前に飛ばすように。ロジカルスピーチの3原則を改めて整理するとこうなります。
・優しい大きな動作にはっきりとした声。
・一人に対して語りかけるような優しい口調と目線。
・フレームに基づいた論理的な話題の展開。
これらがすべてひとつとなったときに、「できる女性」をアピールする最適なパフォーマンスが生まれるのです。
弊社では、マンツーマンレッスン・グループレッスン・1DAY講座等
様々なレッスンを展開しております。
ご興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください♪
https://www.kees-net.com/contact/
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈