ビジネスにおいては報告・連絡・相談、スピーチやプレゼン、会議、打ち合わせ、商談・交渉、電話応対、職場でのちょっとした会話など、さまざまなシーンで話す機会があります。特にビジネスや仕事においては、話し方一つで相手からの信頼度が変わることもあるため、重要といえます。
今回は、ビジネスで役立つ話し方の基本と、ビジネスシーンで求められる論理的・わかりやすい・信頼される話し方のポイントやテクニック、ビジネスシーンにおいて重要なプレゼンのトレーニング方法をご紹介します。うまく話ができない、失敗が多い、効果が出ていないという方は、ぜひご一読ください。
目次
1. ビジネスシーンでこんな話し方になっていませんか?
2. ビジネスの話し方の基本
3. ビジネスにおける話し方のポイント
4. 知っておきたいプレゼン(ビジネス)の話し方が上達するトレーニング方法
5. まとめ
ビジネスシーンでこんな話し方になっていませんか?
ビジネスシーンにおいて、次のような話し方をしていると、相手に話が伝わらなかったり、不快にさせたり、不信感を抱かせたりしてしまい、ビジネスに不利になってしまうことがあります。
何が言いたいのかまとまっていない
とりあえず話し始め、だらだらと話す人は、ビジネスにおいては「何が言いたいのかわからない」と思われてしまいます。また伝えたいことが多いために、あれもこれもつめこんで、「結局、何が要点だったの?」と理解してもらえないこともあります。
根拠が薄い・抽象的
自分の主観だけで根拠のない状態で話し続けたり、具体性がなく抽象的な内容ばかり話していると信頼に欠けてしまいます。
話す速度や声の大きさが適切でない
早口でまくしたてたり、声が小さすぎて聴き取れなかったりすると、聞き手は話の内容が頭に入ってきません。
言葉遣いがビジネス向きではない
口語を使う、尊敬語や謙譲語の使い方が適切ではない、敬称をつけないなど、言葉遣いがビジネス向けではない場合には、聞き手に「無礼」と思わせたり、不快にさせてしまいます。また、信頼性も欠けてしまうでしょう。
相槌が不適切
ビジネスシーンでは「はい」や「ええ」などの相槌が適切といわれており、「うん」や「ああ」「ふ~ん」「へぇ~」などのプライベートの会話のような相槌はビジネスシーンではNGです。相手は不快になり、不信感が生まれてしまいます。
もし心当たりがあれば、ぜひ改善意識を持って、わかりやすい、信頼される話し方を目指しましょう。
ビジネスの話し方の基本
まずはビジネスの話し方の基本を押さえておきましょう。
論理的に話す
ビジネスにおける話し方の基本は論理的に話すことです。論理的とは、物事が筋道立てられ、正しい順序に整理されている状態のことをいいます。物事は因果関係で成り立っており、何か問題が起きれば原因があります。また、何かの結論に至ったとすれば、その結論の根拠があるものです。論理的に話すには、「こういう原因があってこういう問題が起きた」「こういう根拠があってこのような結論に至った」という内容を筋道立てて話す必要があります。
ビジネスにおいては、相手に話の内容を正しく理解してもらい、納得してもらう必要があるため、論理的に話すことは必須といえます。
伝わりやすいように話す
ビジネスシーンで話をする際には、相手に内容を確実に伝える必要があります。そのため、伝わりやすいように意識して話すことは必須です。伝わりにくい話し方では、相手に自分の意図を受け止めてもらえないどころか、間違った解釈をされてしまう恐れもあります。よくあるのが自分では伝えたはずなのに、「そんなことは聞いていません」と言われてしまうケースです。伝わりやすく話すことで、ビジネスが円滑に進みます。
マナーを守って話す
挨拶や名刺交換など、ビジネスにはさまざまなマナーがありますが、話し方にも多くのマナーがあります。例えば、敬語を正しく使う、相槌を適切に行う、表情で理解を示す、ゆっくり、はっきりとしゃべる、相手の目を見るなどがあります。これらの話し方のビジネスマナーができていないと、相手に無礼と思わせてしまったり、信頼構築の際にネガティブに働いてしまうでしょう。
相手に合わせて話す
ビジネスマナーの一つにもなりますが、自分が一方的に話すのではなく、相手に合わせて話すのが基本です。ビジネスにおいて話をするときは、何よりもまず、いかに相手に理解・納得してもらえるかが重要です。それは信頼関係を構築するためにも重要なことです。
ビジネスにおける話し方のポイント
ビジネスにおける基本的な話し方それぞれについて、ポイントとテクニックをご紹介します。
論理的に話すポイント
- 結論をはっきりさせる
まず結論を明確にします。話の着地点として相手に一番伝えたいことを用意しましょう。そして結論を先に話し、その後で、理由を説明します。理由を先に話してしまうと相手に「何が言いたいの?」「結論を早く聞きたい」という気持ちにさせてしまいます。 - 根拠を示す
理由を示すときには、ただ主観的に「こうだから」だけでなく、そこに客観的な根拠を用意することで相手に納得してもらいやすくなります。根拠は客観的なデータを用いるのが一般的ですが、抽象的すぎると納得されにくくなります。できるだけ具体的に示すことが重要です。 - 数字を活用する
根拠を具体的に示すときに役立つのが数字です。数字のデータを用意すれば納得してもらいやすいです。また、話し始めるときに要点が3つあった場合、「今日は伝えたいことが3つあります」などと数字で示すとわかりやすくなります。 - ロジックツリーを意識する
論理的に話すには、自分の頭の中が整理されていなければなりません。論理的思考に慣れていない頃は、「結論→理由→理由詳細」の順番で話すために、ロジックツリーを紙に描くか、頭の中で描くことをおすすめします。
引用:https://company.kees-net.com/column/detail70/
伝わりやすいように話すポイント
- 具体的に話す
先ほど抽象的だと論理的になりにくい旨をお伝えしましたが、話し方全体においても具体的に話すのをおすすめします。例えば、具体的な例え話を入れて表現することで、聞き手はより身近に感じ、理解が進みます。 - ポイントを3つまでに絞る
話の要点が複数になる場合、ポイントは3つまでに絞ると、相手は理解しやすくなるといわれています。4個以上になると、1個1個は理解できたとしても、いくつかは忘れ去られてしまう恐れもあります。 - はっきりした声で話す
発声の仕方も伝わりやすいようにするためには重要です。もごもご、ぼそぼそ話すのではなく、はっきりとした明瞭な声で話しましょう。また語尾を曖昧にせず、はっきりと言い切ることもポイントです。 - 抑揚や間を意識する
要点となる箇所や、特に強調したい箇所は、抑揚をつけたり、間をとって話したりすることで「ここが重要なんだな」と相手に伝わりやすくなります。
マナーを守って話すポイント
- 話の内容に合わせて相手の目を見る
相手の目を見ることは基本マナーですが、じっと見続けると逆に失礼になることもあります。要点など重要なポイントのときにしっかりと目を合わせる、といったように話の内容に合わせるのがポイントです。 - 相槌・表情で理解を示す
会話の最中に、相手が話しているときには、相槌や表情によって反応を示し、「話を聞いていますよ」「理解していますよ」と伝えるようにすると良いでしょう。楽しい話であれば笑顔、悩みや課題などの話であれば深刻な表情などで対応することで話し手は安心して話し続けられます。 - 復唱する
相手が話した後に「こういうことですね」と復唱すると、相手に「伝わったんだな」と安心してもらえます。
相手に合わせて話すポイント
- 相手が理解できる言葉を使う
専門用語は使わず、相手が理解できる言葉を使うことも相手に合わせるテクニックの一つです。 - ペースを相手に合わせる
会話の場合、相手の話す速度やペースに合わせるようにすると相手は安心して話すことができます。相手を心理的に安心させることができれば、商談なども良い方向に進むでしょう。 - 傾聴する
傾聴とは、相手の話を真剣に聴き、心で受け止めて理解することです。ただ上辺だけで相槌を打って聞いているふりをする人もいますが、それとは真逆の対応です。相手の発する言葉から心情や想いまで聴き取るようにすると、会話がスムーズに進み、相手との関係構築にも貢献するでしょう。
知っておきたいプレゼン(ビジネス)の話し方が上達するトレーニング方法
ビジネスシーンにおいて話し方が問われる、プレゼンの話し方が上達するためのトレーニング方法を詳しくご紹介します。
的確な接続詞を使う練習
「え~とっ」「あの~」などを入れる癖のある人には特におすすめなのが、的確な接続詞を使う練習です。理由を言うなど順接のときは「そして」「ですから」、逆説のときは「しかし」「ところが」、まとめや補足のときは「つまり」「ただし」など適切なものを使えるように意識しましょう。
イメージトークの練習
イメージトークとは人が話を聞きながら、自然とイメージがわいてくるような話し方をいいます。例え話が有効ですが、特に体験談はリアルに伝わりやすくなります。ポイントは、聞き手がリアルに想像できる身近な題材を選ぶこと。例えば聞き手がスポーツに関心がない場合、サッカーや野球の話で例えてもピンときにくいです。聞き手の興味関心のある分野か、一般的な題材を選びましょう。
原稿ばかり見ず、聞き手とのアイコンタクトを取る練習
プレゼン中に手元の原稿に終始、視線を落としてしまっている人をよく見かけます。これでは聞き手を無視しているように見えてしまい、話も伝わりにくくなってしまいます。人は3~5秒ほど、目が合うと「自分に語りかけてくれている」と意識するといわれているのです。
聞き手とのアイコンタクトを取る練習をしましょう。会場を3つくらいにブロック分けして、1センテンスにつき1ブロックごとに視線をずらしていきます。また、時に投影資料を指し示すようにすると、伝わりやすくなるでしょう。指先を閉じて揃えると落ち着いた雰囲気に見えます。
ボディーランゲージを組み合わせる練習
ボディーランゲージを活用すると、聞き手に視覚的に情報を伝えられます。手や動作を話の内容に合わせて表現する練習をしてみましょう。例えば「ポイントは3つあります」と言って3本指を立てて示すことで、聞き手の理解をフォローできます。
強調したいポイントを1つに絞って伝える練習
プレゼン資料は情報を詰め込み過ぎず、1スライド1メッセージにとどめましょう。スライドを1つ見せながら、強調したいポイントを1つにしぼって話す練習をしてみてください。より聞き手に伝わりやすくなり、印象に残すことができます。
まとめ
ビジネスシーンにおける話し方は、論理的でわかりやすく、相手に合わせるなど信頼される話し方を心がけることが大切です。適切に話すことで、ビジネスを円滑に進めることができます。また、話し方を上達させることで、より伝わりやすく、信頼構築にもつながります。日頃から、ぜひトレーニングを行いましょう。
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