■姿勢を良くすると声が変わる
スポーツ、では「心技体」のバランスが大事と言われます。
ウォーミングアップをしっかりしていても、本番で極度に緊張してしまっては、体は思うように動かなくなってしまいます。
また普段トレーニングを積んでいても、ウォーミングアップを省いてしまっては、やはり思うように体は動いてはくれません。
話し方についてもこれは同じ。スポーツにおける「心技体」を話し方に置き換えると「心・声・体」です。この3つの要素はとても深いかかわりを持って連動しているのです。
それが証拠に、大勢の人の前に出て緊張すると、いつもより声が出にくくなりませんか?
それは、緊張して体に無駄な力が入り、肩や胸の周りの筋肉に力が入るからです。
それによって、呼吸がスムーズに出来なくなり、声の元となる、息が吐き出せない状態になってしまうからです。
「声がつまる」というのは、体がこわばり「息がつまる」状態のことを言うのです。
反対に、声は体がリラックスするとよく出るようになります。たとえばジョギングをし終えたとき。このときに声を出すと、清々しい大きな声が出ます。これは運動によって筋肉も緩み、深く呼吸できているので声を出しやすくなっているのです。
また、緊張すると強ばるのは肩や喉だけではありません。
表情も固まってしまいます。表情が固まるということは、印象が悪くなるばかりでなく、話すために大切な口の周りの筋肉、口角筋が動かなくなってしまうということ。
それでは十分に口が開けられず、舌先と口の中だけを使って話すことになります。舌先で話すと、言葉は早口になり、言葉に感情も乗せられません。
こういった体や表情の緊張状態を続けていると、脳に「自分は緊張している」という信号が送られます。
するとそれを受けて体はますます緊張し、さらに緊張の信号が脳に送られる。
こうした悪循環から、人はどんどん緊張し、声が出なくなる仕組みになっています。
話すときには、姿勢を整えることから始めると、
この《緊張の悪循環》に飲み込まれるようなことが無くなります。
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