政治もビジネスもロジカルではない日本人
今年6月、菅直人首相の内閣不信任案採決が行われ、その後も国会がゴタゴタともめているときでした。
日本企業に勤めるアメリカ人の友人がこう言ったのです。
「日本人は政治もビジネスもロジカルじゃない」
内閣不信任案に賛成の意を表明していた多くの民主党議員が、
菅首相のひと言で一転、反対に翻ったあの日。
国家の一大事が日本人的な〈情〉、エモーショナルな部分で決められてしまったことに、
アメリカ人である彼は非常に違和感を感じたというのです。
政治やビジネスにおいては、数字など客観的データを基に冷静に判断を下すべき。
そこに情を混ぜてしまう、なんなら情のほうが勝ってしまうのが日本の政治であり、ビジネスである。
「まったくもってナンセンスだ」
そう批判され、日本人としては反論したい気持ちもあったのですが、残念ながら白旗を掲げることになりました。
一例として、日本の企業ではまだまだ“飲みニケーション”が有効です。いい面もたしかにあるでしょう。
しかし、その日の仕事を終え、「さあ家に帰って家族と過ごそう」「ジムに行こう」と思っていても、上司に誘われたら断れない。
上司に気に入られなければ、出世もできない。
「うちの会社もそういうところがあるなあ」というあなた、それはあなたの〈スキルや成績〉よりも、
上司の〈好き嫌い〉という個人的な感情、エモーショナルな判断が幅を利かせているからなのです
欧米では会社に拘束されるのは就業時間内のみ。それも自分の仕事をきっちりやっていれば、
朝遅く行こうが早く帰ろうが何も言われない社会です。評価すべきは成績のみ。
そこにはエモーショナルな判断は割り込むスキもありません。
アメリカ人は「ロジカルであることはフェアであること」と言います。
ビジネスなどロジカルに客観的に対処すべきところでは、個人の感情や主観は一切、入れ込まない。
これは日本人にはなかなかできない芸当だと思うのですが、
彼らは会議で火花が散るような激しい議論を戦わせておいて、
「じゃあ、お腹が空いたからランチに行こうか」と肩を組み出かけられる人々なのです。
彼らに言わせれば、「議論と友人関係はまるっきりの別問題」
「自分とは意見が違う」「間違っている」と思っていても、「友達だから」「仲間だから」と
真正面から議論することを控え、口をつぐんでしまう日本人のほうが理解できないものなのです。
「日本人は言いたいことを押さえるガマン強さがあるが、
時々『実は前々から言いたかったのを、あえて言わずにいたんだけど』なんて、ある日突然爆発させるんだ。
『言わない』と決めたのは自分自身なのに、勝手に被害者ヅラをする。
言いたいことがあるのなら、その場で言えばいいし、言わないと決めたのなら一生口にすべきじゃない。
そこは本当にフェアじゃないと思うよ」
〈ロジカル〉という柱がない日本人は〈エモーショナル〉な要因ですぐにブレる。
それをあの日の国会でまざまざと見せ付けられてしまった思いでした。
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