前回に続いて、画面の向こう側の相手とのコミュニケーションのコツについて、今回はトーク面からお話します。
ポイントは、ロジカルに話すことです。
オンラインでのコミュニケーションについて最もよく聞く相談内容は、「相手から何度も聞き返される」というもの。
これは、マイクを通したときの発音などの聞き取りにくさと、話し方の構成に起因しています。
オンライン時はゆっくりでも構わないので、単語や語尾を明瞭に発音する必要があるのです。
商談であれ、ミーティングであれ、オンラインで開催するときは、発言をコンパクトにまとめる必要があります。
オンライン商談等は、15分あるいは30分程度の短時間で行うケースが多く、効率的なコミュニケーションが求められる傾向があるためです。
対面ならば、アイスブレークの話題をふるなどしてウォーミングアップできますが、オンラインの場合、はじめに本題をしっかり伝えなければなりません。
大切なのは「ロジカル」に話すこと。
会話の順序として、まず伝えるべき事柄は「結論」。
次に「根拠」を述べ、さらに詳細な根拠を説明するという具合に、より詳細な話題に展開していくのがポイントです。
便利なクッション言葉
私自身、オンラインで打ち合わせ等を行うときは、一方的に話していないか気を配るようにしています。
対面時とは異なり、画面から得られる情報はバストアップの人物像と音声のみになりますから、話が長く感じられてしまいがちです。
出席者にまんべんなく会話をふり、発言を促すことが大事です。
オンラインのやり取りに慣れていないと、発言がかぶってしまう場合もあるかもしれません。
音声が相手に伝わるまでギャップがあるので、一拍おいてから切り出すとよいでしょう。
あるいは、「ありがとうございます」とか「質問いいですか」など、相手の話を受け止めたうえで発言を始める、クッション言葉も役立ちます。
距離が離れ、情報量も制限されるオンラインコミュニケーションにおいては、お互いに想像力を働かせて、心理的距離を埋めるよう心がけるのが成功の肝です。
エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈