新型コロナウイルスの発生等、社会情勢が落ち着かない状態が続きますね。
相手への気遣いを伝えたい、といった場面も増えているのではないでしょうか。
今回は、知人の体調を気遣う時の、おすすめの言葉のパターンを2つ紹介します。
■パターン1:自分の今の気持ちを、ストレートに相手に共有する
「ご家族の皆さまの体調はお変わりないですか?」というような、問いかけの定型文も便利に使えると思うのですが、相手の体調を気遣う時の言葉は、もっとストレートでもいいと思います。
例えば、自分の今の気持ちを相手に共有すること。「ご家族が元気で過ごされていることを願っています」とか、「〇〇さんと元気でお会いできる日が早く来ますように」などです。
安否を聞く場合、どうしても「元気ですか?」などの、「YES」か「NO」で答えられるクローズドの定型質問に陥りがち。しかし、みんなが不安で、精神的にも弱っているときにこそ、相手に対する自分の気持ちを正直に伝えることで、絆を深めるということもできます。
もちろん、新型コロナウイルス以外にも、相手を気遣う会話をする際に、相手への思いやりをそのまま言葉にして伝えるのは、相手を勇気づけることにつながります」
■パターン2:相手の気持ちを代弁する言葉で寄り添う
多少、想像力が必要なのですが、相手の気持ちを代弁する声がけもあります。
例えば、相手が高齢の両親と同居されているような場合、「ご両親と同居されていると聞いて、ご体調を心配しておりました」とか、子どもがいて長く登校できていないのであれば「お子様がたも、心身ともにお疲れがたまってくる頃ですよね」など、知人の不安に寄り添うような気づかいの言葉は、相手の心に響くと思います。
不安な悩みを打ち明けられたとしても、いきなり励ますのはNGです。
知人がもし、「外出自粛が解除されても、外出するのが不安。自分が感染するのも怖いけど、ずっと家にこもりきりでもストレスもたまるし…」と打ち明けてきた場合、どんな対応をするべきなのでしょうか?
よくやりがちなのが「考えすぎなんじゃない?」とか「精神的にもっと強くならなくちゃ」というような言葉を使って励まそうとすること。しかし、いきなりそれをしてしまうと、相手は、自分の気持ちを「わかってくれていない」と感じ、孤独感が増すだけです。
そんなときにはまず『共感』するのをおすすめします。共感とは、相手の気持ちを理解し、その気持ちに自分も一旦、なってみるということです。
相手がどんな状況なのか、どんな気持ちでいるのかをまず感じとってみます。例えば今回の例であれば、「もし、自分が一歩も外に出ずに、2週間以上経過していたらどうだろう」と想像してみるのです。
すると、相手がどんな理由で「不安だ」と話しているのかが理解できるようになると思います。そうすれば、自然と相手にかける第一声も変わってくるでしょう。共感した上で励ますのであれば、当初よりも相手の心に響くはずです。
エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈