前回に続き、口下手と自覚するママ向けのお話。今回は対策について、原因別にお話します。
【消極的・引っ込み思案タイプ】
ママ友同士の会話の中で発言するのがちょっと苦手・・といった方は、聞き役に徹するのはどうでしょうか?
会話の中では聞き方技術を「傾聴」とよび、話すことと同じくらい重要なスキルです。
まず、傾聴で重要なのは「共感」です。特に女性同士の会話は、論理的に結論を導き出すというよりも、共感を目的としています。
話し手に共感を示すには、表情やうなずき、あいづちといった分かりやすい「返し」をすることが重要です。会話が苦手だというおとなしいタイプの方は、自己主張が苦手な反面、相手の話を聞くことが得意な場合が多々あります。
【積極的・攻撃的なタイプ】
「言いすぎてしまう」タイプの人も、おなじく傾聴スキルをまず磨きましょう。
ママ友と最初は仲良くできるけれど、いつも次第に距離を置かれてしまうという方がいますが、言葉遣いや、表現がストレートすぎると、何かのきっかけで関係性が悪くなるリスクがあります。
「人間関係は腹八分目」と心得て、適度な距離感を取りながら、できるだけ無駄な衝突を起こさないことも大切です。
具体的な方法としては、ネガティブな言葉をできるだけ使わず、ポジティブな言葉に変換する癖をつけることです。
物事は表裏一体ですので、例えば
「うちの夫は休みの日は疲れたと言って、寝てばかり」というのも、
「平日は遅くまで仕事で、疲れている」という捉え方もありますし、
「うちの子は、運動ばかり得意で勉強は一切しない」というのも
「うちの子は、勉強より運動が好きみたい」と言い換えれば、ネガティブな印象は消えます。
このように、言いたい言葉を一度飲み込んで間を取り、その間に物事をポジティブに捉えなおして話すようにクセをつけていけば、いわゆる攻撃的なタイプの話し方を改善することができます。
仲良くなったから何でも言い合えると勘違いせず、相手に対しても、気持ちのよい会話を心掛けるマナーは守りましょう。
自宅でも出来る練習としては、明るく、印象よく話す練習です。
声は小さいほど自信の無さが相手に伝わります。また、発音や滑舌は不明瞭であればあるほど聞き取りづらいだけではなく、印象も暗くなります。
私は「笑声(えごえ)」という言葉で表現するのですが、声にも顔と同じく表情があります。しずんだ表情で発せられた言葉は、しずんだ表情をしていますし、明るい表情で発せられた言葉には明るい響きがあります。
話す時は、笑顔の口(口角をあげながら、大きく開いた口)で話すようにすると、発音の印象が良くなります。
また、声は少し高めのトーンで出すと親しみやすいイメージが付きます。
ご自宅で、鏡の前で、笑顔を作り高めのトーンで話す練習をしてみましょう。普段の話し方と違っていれば、笑声で話す練習を続けて、印象のよい話し方を身につけましょう。
エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈