TOYOTAの豊田章男社長が、母校であるアメリカのバブソン大学で行ったスピーチが素晴らしいと評判を呼んでいます。
スピーチの構造や内容も、もちろん素晴らしいのですが、一番印象的だったのは冒頭のツカミ。
たった1分程度で、会場から笑いと拍手を集め、今目の前にいるスピーカーが、いかにユーモアがあり、柔軟で包容力のある人かをしっかりと伝えられていました。
(TOYOTA豊田章男社長バブソン大学卒業生へのスピーチ)
この特別な2019年の卒業生へ、まず私から、お祝いの言葉を申し上げます。
大切な事だけ言います。ここに座っているみなさんの中に、卒業後どこで働けばいいのかというストレスを感じている方がいると思います。「どんな企業が自分に仕事をくれるんだろう」と考えているかもしれません。まずはその悩みを、今すぐに解決しましょう。ここにいる全員に仕事をオファーします! トヨタの仕事を! 実は、まだ人事部の許可はおりていないんですが……。多分大丈夫です
(観衆笑いと拍手)
さあ、これで就職のお悩みは解決しましたね。もっと大切な話をしましょうか。例えば、この大切な夜をどうやって過ごすか。今夜のパーティでどれだけハジけて楽しむか?ということですね。
(会場笑いと拍手)
それから、もっと大事なのは……私も仲間に入れてもらえますか? でもあんまり遅くはいられないんですよ、明日は『ゲーム・オブ・スローンズ』の最終回ですからね。
(会場爆笑)
ユーモアを冒頭のツカミに使うだけでなく、冒頭で3回もユーモアを連発。
通常は、ツカミとしてユーモアを入れて、和んだ雰囲気の中、本題。。となりがちなところ、このスピーチは、聞き手とユーモアのやり取りを純粋に楽しんでいるように感じられます。
ホンダ創業者である、本田宗一郎氏は、日本人はユーモアにかけると語っています。戦後、日本の行政改革について意見を求められた時、
自身のアメリカでの経験から、皆が幸せで、健康で、冗談を飛ばしあえるような国になるようにと提案しているほどです。
スピーチにおいて、会話において、ユーモアが重要な事は周知の事実。
スピーチレッスンでも、スピーチにユーモアを入れたいという方が多いです。
「人を笑わせなければ」という思いで、無理に入れたユーモアは逆に浮いてしまいがち。
ユーモアは「人を笑顔に、幸せにしてくれるもの」という、笑いの神髄に基づいて、スピーチに盛り込んでほしいと思います。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈
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