スピーチには「間」(ま)が超重要、というのもKEE’Sの講座に通われている方にはおなじみのことですが、本当に大切なので、また書いておきます。
間には2種類あります。「理解の間」と「引きつけの間」です。「理解の間」はセンテンスとセンテンスの間に取るもの。それまでの話を聞き手が理解し、スムーズに次に進めるようにするための「間」です。
なぜ「間」が必要なのか。それは、話し手と聞き手の理解のスピードがまったく違うからです。多くの人は、頭の回転と話すスピードを同じにしてしまっています。
あなたにとっては何度も練習し、わかりきった話でしょうが、聞き手にとっては初めて聞く話。休む暇もなく、次々に新しい情報を詰め込まれては息もつけません。そして、話し手のスピードについていけなくなると、聞き手は聞くことをあきらめてしまいます。
良い話し手になるためには、たとえ「1対大人数」であっても、一方通行ではなく、双方向でコミュニケーションする意識を持つことです。聞き手がついてきているかどうか、時々立ち止まって振り返ってあげる。そんな「理解の間」を取ってください。
具体的に言うと、「理解の間」はおよそ3秒くらい。必ず、頭の中で「1、2、3」とカウントしましょう。一度、ストップウォッチなどで3秒を体感することをおすすめします。たかが3秒ですが、沈黙の3秒はかなりの緊張を伴うようで、KEE’Sの受講生の方々も一度で完璧に3秒沈黙できる人はほとんどいません。「長めに取ったつもりなんですけど」と言うのですが「1.5秒も取れていませんよ」ということが多いのです。
もうひとつの「間」である「引きつけの間」については次回ご紹介いたしますね。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈