「これまで何回かお見合いをしているのですが、いつも相手の話に途中で飽きてしまうんです。今度こそはしっかり聞くぞ、と思っても、気づくと上の空になっている自分がいて、お見合いも毎回、失敗に終わってしまうんです」
こういうタイプの男性は意外に多く、大多数は悪いことだとも感じていません。上の空になっても、「俺に興味のない話をするお前が悪い」くらいに思っていたります。でも、人の話を「つまらない」「自分とは関係ない」とするか、「おもしろい」とするかは受け取る側の意識次第。
そもそも、はじめから自分と価値観が100%ぴったり合致する相手などいません。興味のないことでも、自分の意識で「共感のフィールド」に持ち込めるのがコミュニケーション能力であるとも言えます。相手の話を自分のテリトリーの中でうまく変換できると、ジャンルやトピックそれ自体に興味がなくとも、相手に共感できて、会話もはずみます。
例えば、自分が料理に特に興味がなくても、「料理が趣味」だという相手の話を楽しく聞くには「自分の趣味」の話に変換すれば良いのです(念のため…話題を料理から自分の趣味の話に強引に変えるという意味ではないので、ご注意ください)。どんなきっかけで始めたのか、どういうところが楽しいのか、最近はまっているのは何かなど、ジャンルは違っているかもしれませんが、どういうポイントで話を聞くと相手が話しやすく、話がはずむのかは自分の経験からわかるはず。自分の自慢話ばかり一方的にするのではなく、相手に共感し、的確に質問できる「聞き上手」になった方が、話し相手からの評価も上がります。
興味のない話題にしぶしぶつきあうという姿勢ではなく、自分の経験を活かしてアクティブに「聞きこなす」姿勢を持ってくださいね。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈