「私はコミュニケーション下手なので……」という受講生の方に「なぜ、そう思うのですか?」と聞くと、 「相手に話が通じないから」「会話相手に印象が悪いと言われるから」と返ってくることがあります。
相手にそう言われる理由は多岐にわたっており、 受講生ごとに改善点も異なるのですが、共通しているのが「聞き手のことより自分のことを考えている」という点です。
会話において、心掛けたいのが「相手のことを70%考える」こと。会話の量・会話の内容(=相手を優先させる割合)、いずれも70%必要です。
会話の量については、会話のやり取りをキャッチボールに例えると分かりやすいと思います。自分が話しているときには「自分がボールを持っている」、相手が話しているときには「相手がボールを持っている」と想像してみてください。 70%くらい相手にボールを持たせるくらいが、 会話の満足度は高くなります。
内容に関しては、自分が話したい話題があったとしても、70%は相手の話題を優先させること。自分が言いたいことすべてをストレートに伝えるのではなく、相手が掛けてほしい言葉を選ぶなどして、 70%くらいは相手のことを考えられるといいですね。
上司と部下の1対1のミーティングで、AIが会話量を測り、上司の会話量が3割、部下が7割となるようにルールを決めている会社がありますが、それも、上司の言いたいことを3割にとどめた方が、部下のストレスも少なく、関係性がスムーズに保てるということだと思います。
人は感情的になったり、緊張してしまうと、どうしても自分のことだけに意識が向きがちです。会話は、自分が満足したり、ストレスを発散するものではなく、相手のためのものだと心掛けると、「話が通じる」「印象の良い」人に近づけるのではないでしょうか?
ぜひ試してみてくださいね。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈