ビジネスの場では、突然スピーチをさせられたり、会議でいきなり意見を求められたりすることがよくあります。何かを急に尋ねられた結果、準備もしていないし、緊張して頭の中が真っ白になってしまい、言葉に詰まってしまう……という経験がある方も多いのでは?そんな「とっさのスピーチ」に強くなるトレーニング方法があります。
それは「しりとり連想法」です。
しりとり連想法とは、出てきた単語を、センテンスごとにしりとりのようにつなげていって、その単語で連想できる言葉をどんどんしりとりのように続けていく……という手法です。
たとえば、「好きな色は何ですか?」という質問をされたとします。「青が好きです」「黄色が好きです」と、好きな色だけは返答できるものの、そのあとの言葉が続かない人も多いのではないでしょうか。
そこで「青」「黄色」というキーワードを捕まえて、そこから話をつなげていくのです。しりとりのように、「青は……」と話を始めると、「青」から連想するもの、「空」や「海」につなげて文章を作ることができます。
その上で「青は、それや海の色で、見ていると気分がスカッとします」と文章がつながったら、またその中からキーワードを捕まえて、言葉をつないでいきます。
質問:好きな色はなんですか?
答1:「私は青が好きです」→
答2:「なぜ青が好きかというと、空の色だからです」→
答3:「空はとても広々としています」→
答4:「広々とした光景を見ていると、スカッとした爽快感を楽しめます」→
答5:「見ているとスカッとするからこそ、私は青が好きです」
結論(青が好き)→理由(青は空の色→空は広々→爽快感)→結論(青が好き)の構成になっているのがおわかりでしょうか?
真面目で真摯な方ほど、「なぜ自分は青が好きなんだろう?」と深く悩んでしまいがちですが、スピーチの際には、悩みすぎて絶句してしまうより、思いついた言葉をつなげてクイックレスポンスをする方が堂々として見えます。頭の中に思いついた言葉をつなげて、どんどんトークを発展させていく練習をしてみましょう。もしかしたら思ってもいないような結論にたどり着くかもしれませんが、それもフリートークならではの醍醐味と言えるでしょう。
しりとり連想法はクライアントとの雑談などにも活用できます。ぜひ練習してみてください。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈