自分から挨拶するのが苦手という方が少なくないようです。
自分から挨拶して、相手が返してくれなかったらどうしようとぐるぐる考えてしまい、なかなか挨拶ができない。相手の挨拶に返すときにも、小声で曖昧な挨拶しかできない。しまいには、挨拶なんて大したことないし、必要ない、と勝手に判断してやめてしまったり。
でも、ちょっと待ってください。挨拶には想像以上にパワーがあります。会った瞬間、たった5秒で相手の懐に入り込めるパワーです。どんな状況でも、誰に対しても、挨拶が気持ちよくできる人というのは、コミュニケーション能力が高い人です。
相手の反応がないことを怖れていたり、反応がないのにこちらから挨拶するのは恥ずかしい、あるいは損だ、と思ってしまうなら、こう考えを変えてほしいのです。
相手の反応は二の次。反応があってもなくてもどうでもいい。自分から先にしてこそ、挨拶。
なぜなら、挨拶は、苦手な人とでもたった一言でコミュニケーションできてしまう便利なものだからです。長話をする必要はないのですから、たった一言、ここで口をきいておけば、コミュニケーションをとったことになります。言ってみれば、話下手の味方です。
朝からできるだけ多くの人に挨拶してみてください。もし、職場がシーンとしていて、ひとりいきなり挨拶するのが難しいなら、家族、ご近所の方、駅の売店やコーヒーショップの店員さんなど。誰でもいいです。
そうすると、どんどん心のエンジンが掛かっていくのが実感できるはず。向こうからの挨拶が返ってこなくてあたりまえ、返ってきたらもうけもの、くらいの気持ちで気軽に挨拶を続けていると、見たことがなかった相手の笑顔が見られたり、仏頂面で無口だった人がしぶしぶ挨拶を返してきたりなどかわいいところが見えたり、苦手だった人への苦手意識が少しだけなくなったりなど、挨拶だけでこれまでにはなかった人の輪を広げることもできるのです。
どんなに立派なことを話せても、挨拶ができない人より、話し下手でも挨拶はしっかりできる、少なくともしっかり挨拶しようと努力している人、そういう人の周りに人は集まるものです。人を引きつける磁石のような「挨拶力」、ぜひあなたのものにしてください。
挨拶ができるようになってきたら、応用編の「挨拶にプラスアルファ」もご覧くださいね。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈