この時期はとっさにスピーチを求められることが多いのではないでしょうか。ビジネス交流会での1分スピーチ、保護者会での自己紹介、歓迎会やお別れ会で回ってきてしまったマイク……とっさの場面でのスピーチは、逃れようのないものです。
1分程度のスピーチや自己紹介、歓談の途中で誰も聞いていないような場面ですら、いきなりの場合には緊張して、グダグダのスピーチになりがちです。
緊張の原因は色々ありますが、とっさのスピーチに緊張する理由の多くは準備不足です。
講演会やセミナーを年中行っているような方でさえ、「講演会は何時間でもまったく緊張しないのに、いきなりの自己紹介は緊張する」と言います。
まったく想定外のことに対して緊張するというのは、ごくごく当たり前のこと。
それならば、想定外にしなければ良いのです。自分でできる範囲であらかじめ準備をしておけば、とっさのスピーチでも緊張しすぎて絶句するなど、最悪の事態を防ぐことができます。
自己紹介などは、ビジネス、プライベートなど場面に応じて、いくつかのパターンを作っておけば大丈夫でしょう。また、最近の家族の話題や、仕事、趣味の話題など、すこし長めのスピーチに備えてネタをストックしておけば、とっさの場面であっても、1つくらいは使える話題があるはずです。例えば、毎日の通勤電車の中で「最近のトピックでネタにできるものあるかな?」と考えておくだけでも心の備えになります。
社長や役員など、しょっちゅう「何か一言」を求められる立場の方々であれば、もっと様々な話題が必要になってきます。経済や世界情勢など時事的な話題も盛り込んで、伝えたいメッセージにつなげるなど、高度なスピーチがしたい場合は、日ごろからのネタの作り込みが大事です。
話題豊富で、スピーチ上手になりたいという方におすすめなのが「what’s new」という練習です。気が向いた時に、最近気になる話題について1分程度声に出してスピーチしてみてください。初めてその情報を知る聞き手がいると仮定して、「説明→意見→締め」の流れで、1分程度で話せると十分だと思います。
そうやって、実際に声に出して話したことは、自分の身になり、いざという場面で活用できるネタになります。
ネタについて考えておく。時間があるときには声に出して練習する。ぜひ試してくださいね。
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関連講座:あがり症を克服~スピーチ緊張克服コース(全5回)
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KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈