社会では、活発で外向的な人ほど、ヒューマンスキルが高いと評価される傾向にあります。
子ども達の社会である学校でも、大きな声で発表できたり、ムードメーカーとしてみんなを引っ張っていける生徒がリーダーシップのある生徒として評価されます。
私たちは、物心ついた時から「外向的>内向的」という概念を植えつけられてしまっています。
「社交性があって外向的だ」とほめられることはあっても、「内向的でいいね」とほめられることは少ないでしょう。
では、内向的なのは悪いことなのでしょうか?私は一概にそうだとは思いません。
確かに外向的であることはひとつの強みかもしれませんが、それがコミュニケーション力のすべてではないからです。
コミュニケーションには「直感力」が必要だと思います。直感力があれば、相手の顔色や声色から、本心を感じ取ったり、服装や持ち物から、相手の状況を知ることもできるでしょう。
コミュニケーションでは、アウトプットする前にまずはインプットすることが必要なのです。
内向的なタイプは「内的会話」の多い人です。熟考したり、想像したりすることが好きで、人の気持ちを感じ取ることが得意です。それはインプット方向に強みがあるということを意味します。
たとえアウトプット方向が苦手だったとしても、コミュニケーション力はスキルですので、持って生まれた性格に関係なく、トレーニングで習得できるものでもあります。
内向的な人が自分を「外交的なタイプ」に見せる自己演出スキルを習得すれば。
必要なときにオンオフを切り替えるように、アウトプットできれば(無理に性格を変えようとする努力は必要ありません!)。
インプット力とアウトプット力を両方とも兼ね備えた場合、それに勝るコミュニケーションスキルはないと思います。
内向的であることは決して悪いことではないのです。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈