冷静に考えると、ごく他愛もない話なのに、なぜか面白く聞こえる。まるで目の前で起こっているような臨場感がある。そんな、立体的で描写に満ちた話し方は、プライベートの会話だけでなく、ビジネスでも万能。プレゼンを際立たせ、コミュニケーションを円滑にしてくれます。
そんな魅力のある話し方と面白くない話し方の違いは何なのか?ひと言で言うならば「説明」しているか、「表現」しているか、その違いに尽きます。
多くの人は、話をするとき、概要だけを浅く広く話す、いわゆる「説明」になってしまっています。プレゼンや商談でもそうですが、「説明」では相手の心は動きません。商品について理解はできたけど、「買いたい」という気にはならない。それが「説明」なのです。
話上手な人は、必ずしもキレイにまとまっていなくても、楽しませたり、驚かせたり、想像させたりしながら、聞き手の心を動かす、「表現」する話し方ができます。
では、どうすれば相手の心を動かす「表現」ができるようになるのでしょうか?
様々なテクニックについては教室でお教えしているのですが、ここでは、まず「単語の意味を感じながら話す」ということについてお伝えします。
言葉には意味があり、生きています。それをきちんと活かして話してください。
話上手な人は自分なりの感情を単語一つひとつに乗せながら、想像力と心を使って話しています。だから、そういう人の話は心にヴィヴィットに響くのです。
プレゼンをするとき、資料をただ読み上げたり、暗記したことをそらんじるような話し方をしていませんか?その言葉では相手の頭に「字面」としてしか届きません。
言葉の一つひとつを「表現する」。その小さな積み重ねが、会話やプレゼン、ビジネスコミュニケーションにおけるあなたの話し方を輝かせてくれるはず。
言葉の個性を尊重する意識をもてば、言葉も必ずあなたを活かしてくれるのです。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈