スピーチをするとき、もしもの場合に備えて、スピーチ内容を書いたメモを準備する人は多いと思います。でも、そのメモが話す内容を一字一句もらさず書いてある原稿だとしたら、NGです!
なぜなら、原稿に目を落とし続けていると、用意した文章を読んでいるだけの印象にしかならないからです。読み上げで聞き手の心をつかむことは到底無理です。
スピーチのときにもって出るのは、読み上げ用原稿ではなく、あくまでメモにしてください。メモは、以下の書き方がおすすめです。
・話すべきポイントを箇条書きにする
・絶対に言い忘れてはならないキーワードには色をつけたり、丸で囲む
話す内容は、すでに頭の中にあるはずです。忘れてしまいそうな数字や言葉が話の中に含まれている場合に、補助としてメモに頼ればいいのです。
よく、結婚式のスピーチなどちょっとしたエピソードを語るときにでも、一字一句書いたメモを持つ人がいます。メモから離れられないのは、一字一句間違わないように話さなければ、という間違った思い込みをしているから。そうやって頼りすぎてしまうと、メモはお守りではなく、スピーチを失敗させるネガティブアイテムに早変わりしてしまいます。メモはぜひ必要最低限の内容にとどめてください。
また、メモの持ち方にも工夫が必要です。
避けたいのは、自分の顔の高さでメモを持ってしまうこと。メモで顔の半分くらいが隠れてしまっている人もいます。そうすると、聞き手のアイコンタクトを妨げ、前に向かって飛ばすべきエネルギーがメモに吸い取られてしまうことになります。声も遮断されるので、聞き取りづらくなります。
メモは片手で、体の横で持ちましょう。自分自身よりメモが目立ってしまうことのないように。また、体の横で持つことで、ついついメモを見てしまう、ということを避けることもできます。本当に困ったとき、必要に迫られたときにしか見ることができなければ、その分、聞き手とのアイコンタクトに目線を費やせます。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈
P.S. KEE’S新丸ビル校では、聞き手の心理を取り入れ、伝えたい情報をダイレクトに相手に届けるプレゼンの技術を習得できる「パワープレゼンテーションコース」をご用意しています。プレゼンスキルを隅々までトレーニングしてみませんか?