本コラムでも腹式発声の話は何度かしています(参考:お腹から声を出してみよう )が、受講生の方々からよくこんな質問をいただきます。「話をするときは、いつもお腹をへこませて話さなければいけないのですか?」「1対1で話すときに、こんな発声をしたらおかしいのでは?」
確かに、普通の会話時に腹式発声全開の声を出し続けていたら、少し声のボリュームが大きすぎて、違和感を持たれてしまうかもしれません。
でも、実は私たちアナウンサーは、声を出すときはいつでも腹式発声を使っています。その理由は、一度全力の腹式発声を覚えてしまえば、あとはシチュエーションに応じて、簡単に声のボリュームを調整できるからです。
腹式発声を、ゴルフのスイングのようなものだと考えてみてください。ゴルフには、力いっぱい振り抜くフルスイングもあれば、アプローチやパットもありますが、「振り方」の原理は一緒です。腹式発声についても同じことが言えます。
50人に向けてのスピーチがフルスイングの発声と考えるならば、5人に向けてはアプローチ、1対1ならパットくらいの振り幅で、と、話す場面に応じて声の調整をしていけばいいのです。
腹式発声を一度マスターしてしまえば、声帯を絞るようにむりやり大きな声を出す必要はありません。声帯に負担をかけずに聞いている人に心地よさを与えるツヤのある声を出すことができます。
そのためには、まずフルスイングでの腹式発声を覚えること!
そうすれば、いつでも自由自在に、場面に応じて声を調整することができるはずです。
KEE’Sの「6時間ベーシックSPEECHコース」でも腹式発声トレーニングを行っています。無料体験もできますので、ぜひお試しくださいね。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈