一生懸命話を聞いていても、「真剣に聞いているの?」と思われてしまう損な人がいます。その主な原因はリアクション不足。つまり、パターン化されたあいづちです。
「へえ」「ふうん」「そうなんだあ」と声色やテンション、テンポを変えないあいづちを繰り返していると、たとえ心の底から共感していても、相手には感動や反応が薄いように映り、ついには「本当に聞いているの?」という不満につながります。
とはいえ、あいづちのボキャブラリーを増やすのは至難のワザ。
でも、ご安心ください!
実は、あいづちの言葉は1つで十分です。たったひとつのフレーズしかもっていなくても、工夫次第でバラエティに富んだあいづちにすることができます!
まず、あいづちで一番大事なのは、「感情を乗せる」ことです。感情が乗ると、声の高低や抑揚などは様々に変化します。上手なあいづちを打つために、まずひとつのあいづちに様々な感情を乗せて、表現方法を変えてみてください。
例えば、「ホント?(疑うように)」「ホントーッ!?(びっくりするように)」「ホントに~?(茶化すように)」など、同じ言葉を感情の乗せ方によって変えるのです。共感、驚き、感心や喜怒哀楽を同じあいづちに乗せてみてください。たった一言でも、意外に応用が利くのがわかっていただけるはずです。
あいづちを工夫しようと様々な言葉を使うのは、人の話を聞くことに慣れた聞き上手であれば良いのですが、タイミングによっては話の腰を折ったり、リズムを変えてしまったり、かえって話し手の邪魔をしてしまうことがあります。
あいづちにさほど自信がないという人は、同じ言葉を使って感情の乗せ方だけを変えた方が、話し手のリズムの邪魔にならず、ちょうど良い合いの手になります。
また、ただ黙ってうなずくだけでも、そのリズムを変えるだけでバリエーションをつけることができます。話し手のテンポが速くなったら速く、ゆっくり話しているときはゆっくりと、相手のペースに合わせていけばいいのです。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈