コミュニケーション能力を伸ばすために、今日からすぐできることがあります。
それは、「ちょっとしたひと言」を生活の中で、できるだけ多く口にすることです。
例えば、混雑している電車に乗り込むときには、一言「すみません」と言う。エレベーターで操作盤の近くに立っていたら、後から乗ってきた人に「何階ですか?」と聞く。コンビニでの会計時、店員さんに笑顔で「ありがとう」と言う……など。トレーニングになる「ちょっとしたひと言」は日常にいくらでも転がっています。
あなたが考えているコミュニケーションとは違う?
そういう人は、電車の乗客やエレベーターに乗ってきた人、コンビニの店員さんのことを「自分とは関係ない人」と思っています。コミュニケーションは相手によって使い分けるものではありません。
自分にとってメリットのある人だけにコミュニケーションのエネルギーを使おうと思っている人。それをコミュニケーション能力とは呼びません。本当にコミュニケーション能力がある人は、「関係ある人」と「関係ない人」を区別する意識すらもっていない「無意識に気持ち良い語りかけをしてしまう」人のことです。
そのようなコミュニケーション能力のある人は、常に話すことに関し、エンジンがフル稼働している状態です。人間も車と同じように、エンジンを温めて、いつでも走りだせるようにしておかなければ「今、声をかけたい!」という瞬間に声が出ないものです。「ちょっとしたひと言」はそのためのウォーミングアップです。
まずはコンビニで店員が「ありがとうございました」と言ってくれたら、「ありがとうございます」と返してみましょう。できれば、アイコンタクトを取って笑顔で。コンビニを出た後も、心のテンションはさわやかに高まっていることを感じるはず。
体力をつけたいとき、わざわざジムに行かなくても、駅で常に階段を使うなど、日常の小さな積み重ねで改善することができます。コミュニケーションの体力も同じなのです。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈