報告のSTEP5<WILL>
ここまでで、かなりいい報告になっていますが、最後にダメ押しとして〈WILL〉で締めます。
〈WILL〉とは、今後のプロジェクトに対する自分なりの意思、目標。
話のセオリーとして、最後を未来形で締めると、ギュッと引き締まった、聞き手の印象に残る話にすることができるのです。
〈報告・悪い例〉
目標の300台へと、売り上げをなんとか伸ばしたい意気込みでおります。
数字が「300台」とあるのはいいのですが、具体的なプロセスが見えません。
未来のことだからこそ、数字や行動を具体的に詳しく述べなければ、「絵に描いた餅」になってしまいます。
〈報告・良い例〉
以上の事柄を受けまして、来月、我がチームは営業スタッフ30人体制で、
E~H地区に対し、300台の販売目標達成を目指す方針です。
〈4W〉に沿った形で、繰り返しにはなりますが、来月やるべきことが具体的に述べられています。
①先月のAZ車は売り上げ目標に到達しませんでした
②先月の成績と目標に達しなかった原因をお伝えします
③1~31日、A~D地区に20人体制で販促活動しました
④どうして売り上げ達成できなかったのか。理由は2つ
⑤理由①ターゲットミス
⑥理由②営業体制ミス
⑦続いて、対策と目標についても考えてみました。
⑧問題点を改善するための対策は2つ
⑦対策①E~H地区に変更(ターゲットミスへの対策)
⑧対策②30人体制に変更(営業体制ミスへの対策)
⑨30人体制で、E~H地区に、300台の販売を目標にします
報告する案件について、ロジックツリーにまとめたら、一度、原稿に書き起こしてみるのもいいでしょう。
ただし、何度も言うようですが、発表の際に持ち込むのはロジックツリーに書き込まれた〈話し方マップ〉です。
一字一句書いた原稿は目で追うのが大変で、ミスに繋がりやすくなります。
もちろん、マップの欄外に、必要な情報を書き加えておいても構いません。
この〈話し方マップ〉を原稿にすると、こうなります。
〈報告・模範解答例〉
先月の当社AZ車の売り上げは残念ながら目標を達成できませんでした。
目標300台のところを250台と、目標を50台下回る結果となりました。
プロジェクトの詳細を申し上げます。
先月1日から31日までの1カ月間、営業スタッフ20人体制で、A~D地区に対し、AZ車のセールスを行いました。
「なぜAZの販売台数が目標に満たなかったのか?」ですが、考えられる原因は2点あります。1点はターゲットミス。もう1点は営業体制ミスです。
ターゲットミスに関しては、販売をかけたA~D地区は駐車場が不足しているということ。
またどう地区の家主の7割が50代以上で定年が近く、高級車の購買意識が薄かったことが挙げられます。
もう1点の営業体制ミスですが、20人体制では7000戸の訪問予定も、5000戸が限界であったことが挙げられます。またAZ車のプレゼン方法が統一されておらず、説明スキルが不足していたことも明らかになりました。
これらの原因に対する対策を考えました。
まず、ターゲットミスに関しては、空き駐車場の多いE~H地区を来月の販売強化地区にします。同地区は年収700万円以上の40代が家主に多く、所有車が5年以上を経過している世帯も多いということが我が部の調査の結果、わかっています。
営業体制ミスに関してはスタッフを30人体制にし、再度7000戸の訪問を目指すことにしました。また30人にはAZ車のプレゼン方法統一のため、今月中に研修を行います。
以上の事柄を受けまして、来月、我がチームは営業スタッフ30人体制で、E~H地区に対し、300台の販売目標達成を目指す方針です。
〈戦略的報告〉の構造 まとめ
STEP1 結論を端的に述べる
STEP2 基本情報を〈4W〉で述べる
STEP3 その結論にいたった〈WHY=原因、問題点〉を述べる
STEP4 その原因、問題点に対する〈HOW=対策〉を述べる
STEP5 自分なりの〈WILL=意志、目標〉を〈4W〉で述べる
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