雑談上手になりたいと話し方教室を訪れる方は多くいらっしゃいます。
「会話上手になる本」などでは「ビジネスの話に入る前に、天気の話など雑談から会話をスタートさせるとよい」と書いていることが多いです。やってみたことのある方も多いのではないかと思います。
「今日はいい天気ですね」「そうですね」「……」とその後の話が続かなかったことはないですか?なんとか「明日からは天気も崩れるみたいですよ」と続けてみても、相手は「そうなんですか」で終わり、またもやシーン……。
いろいろがんばってみても、「なんだかギクシャクしてしまう」「会話空間が温まってこない」という経験をした人は多いはず。「天気の話が本当に正解なのか?」と疑問に思ったことはないでしょうか?
会話空間を温め、「リラックスモード」に整えるために、雑談はやはり必要です。無難な雑談といえばお天気の話題。でも、断言しましょう。日本人にとって雑談は難しいです。
例えば、海外旅行をすると、道で目があっただけの見知らぬ外国人がニコリと笑顔を送ってくる。「Hi!」と気軽に声を掛けてくることも。そのテンションに慣れると、こちらからも見知らぬ相手に 「Hi!」と言えてしまったり。海外にいるという解放感、英語を使うという非日常の楽しさから、いつもの自分とは違う人格になれてしまいます。
ところが、日本に帰ってきて、うっかり同じテンションで見知らぬ人に朗らかに話しかけたりすると、不思議な顔をされたり、不審者のように扱われてしまいます。
このことからわかるように、日本ではもともと初対面の人と雑談をする文化がないのです。「雑談=無理にしなければならないもの」という義務感から話しても、うまくいくはずがありません。ではどうすればいいでしょうか?
話し方教室のレッスンでは、雑談と思わず、あなたが「本当にしたい話」をすればいいとお伝えしています。
例えば、天気の話にしても「今日はお洗濯物、うっかり干してきちゃったんですよ」「雨続きで、乾燥機だと洗濯物もシワシワになってしまうから嫌なんですよね」などと、あなたの「本心」を話してください。
「雨が続いてますねえ」「明日も雨だそうですよ」というやり取りが一向に盛り上がらないのは、そこに「心」がないから。どうしても話が上滑りしてしまうのです。
話し方教室の受講者の方を見ていると、雑談なのにも関わらず、「こんなこと言ったら失礼かな」「いきなり個人的なことを話すのはよくないかな」など、余計な気を回している人が多いように思います。
雑談はあくまでも雑談。仕事にも関係ないのですがから、失礼な話題や意見が衝突しそうな話題以外は何を話してもいいのです。そのくらいの気楽さを持たないと、自分から話題など振れません。
また、天気以外でも、「関係ないのですが、このビルの下のレストラン、おいしそうですね」「ここにうかがう前に寄ったコンビニの会計が777円だったんですよ」など、目についたことで「本当に伝えたいこと」を話してみてください。雑談があなたのキャラクターや魅力を伝えるものになっていきます。
今日これまでの出来事で、あなたが一番伝えたい出来事は何ですか?
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈
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