前編に続き、 「人を飽きさせない」「眠くさせない」ための話し方のポイント をお伝えします。
◆7つのポイントへの対策
1.つかみのテクニックがない
最初に聞き手の関心をひきつける「つかみ」は重要です。「つかみ」のための3つのテクニックをご紹介します。
- 質問する・・・最初からすべてを話さず、時々聴衆に質問をする事で、一方的ではなく、双方向性のある話し方へ
- ホッとさせる・・失敗談やホッとするような経験談を交えることで、親近感を持って聞いてもらえる
- ドキッとさせる・・「もし余命が1年しかなかったら何をしますか?」「みなさんの成功の定義は何ですか?」など、考えさせる質問をふる事で、聴衆は主体性をもって聞く
「質問」は特別な準備が必要ない上に、「答え」を知りたくなった聴衆が話を集中して聞いてくれるというメリットもありますので、ぜひ取り入れてくださいね。
2.描写テクニックがないので、説明にしか聞こえない
単なる説明を長時間聞かせられるのは苦痛です。聴衆の五感を使わせるような描写を心掛けることで、話している内容が生き生きと伝わります。
3.「置き換え話」「経験談」などの実感を交えたエピソードがなく、本論しか話さない
本論を深める「例えば史実では……」「私も先日こんなことがありました」というようなエピソードを加えることで、説明がわかりやすく、腹落ちしやすくなります。
4.間や抑揚がなく、一本調子
間には2種類あります。間がないと、直前に聞いた内容を消化しきれないまま、次の話題を聞くことになってしまうので、そのうち聞き手が聞くこと自体をあきらめてしまいます。
- 理解の間・・段落が変わる、話の内容が転換する場面では5秒くらい間を置くことで、聞き手がさっき聞いた内容を頭で整理して、次の話題を聞くことができる。
- 強調の間・・大事な言葉の前後に間を置くことで、大事なフレーズが伝わる。結果、話の中で特に伝えたい言葉がしっかりと聞き手の記憶に残る
沈黙を恐れず、間をうまく使いましょう。
5.要点が定まらない(何が言いたいのかわからない)=結論が不明瞭
ロジカルスピーチを心がけましょう。具体的には、結論は最初に言ってしまいます。その後、結論を下支えする「理由」もしくは「話のポイント」を話します。最後に付け加えるべき「詳細」を話し、再度結論を繰り返して話を締めると、要点が伝わりやすくなります。
参考:話し方教室 KEE’S ロジカルシンキングを実際に話すときの手順を教えて下さい。
6.一文が長い
体現止めを使うなどして、一文を短くしてください。1文の目安は5秒程度が最も聞きやすいと言われています。すべての文を5秒で区切る必要はないですが、ところどころ意識して短く区切りながら話すと、テンポの良い話し方になります。
7.表情やジェスチャーなどのノンバーバルコミュニケーションが出来ていない
言葉以外にも大事な要素は、表情、手ぶり身振りなどのノンバーバルコミュニケーションです。 話の内容に応じて、表情を変えたり、感情の起伏に応じて動きをつけたりすると良いでしょう。
ジェスチャーに慣れていなかったり、恥ずかしいと思われる方にも取り入れやすいのは、数字や大きさ・形状をあらわす動作です。「3つあります」と言いながら、指で3を示す動作など、有名人のスピーチでもよく見ますよね。
言葉に動作をつけると、内容が立体的に伝わります。
KEE’S代表 エグゼクティブスピーチトレーナー 野村絵理奈